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豊胸手術は全身麻酔?全身麻酔とその他の麻酔について解説します

2023年04月08日

豊胸手術は全身麻酔?全身麻酔と他の麻酔について解説します。

みなさんの中には胸が小さいことや胸の形に左右差があることなど、バストに関わるコンプレックス・悩みを抱えている方もいると思いますが、豊胸を検討してる方の中には手術中の痛みや使用される麻酔に対して不安を感じている方もいるのではないでしょうか?

基本的に豊胸手術を行う際は、施術方法にもよりますが全身麻酔や静脈麻酔・硬膜外麻酔など痛みを遮断する麻酔を使用して行うため、手術中に痛みを感じることは基本的にはありません

この記事では、豊胸手術に使用される全身麻酔の効果やその他の麻酔にどのような種類があるのかといった点について解説していきます。

豊胸手術に使われる全身麻酔とは?

手術中

まず注意しなければならないのが、医学的な麻酔の定義とクリニックのメニュー名が必ずしも一致しないことです。医学的な定義では、全身麻酔とは「痛み刺激によっても覚醒しない薬剤性の意識消失」とされており、静脈麻酔とは「静脈注射用麻酔剤を用いた全身麻酔」となっています。

アマソラクリニックでは、麻酔科専門医以外によって行われる静脈麻酔を“静脈麻酔”、麻酔科専門医による静脈麻酔を“全身麻酔”、と定義しています。 保険診療の分野でも麻酔科医師による麻酔管理は別途請求ができるようになっているため妥当な料金体系でしょう。

さて、話がそれましたが、上述したように全身麻酔とは「痛み刺激によっても覚醒しない薬剤性の意識消失」となります。つまり、薬剤により寝ている状態で手術中の痛みを感じることはありません

使用する麻酔は点滴から行う“静脈麻酔”とマスクなどから吸入して使用する“吸入麻酔”の2種類を併用することが多く、全身麻酔中は意識がなくなるため、人工呼吸器など使用して呼吸調整が必要な場合もあります。

全身麻酔はどのような流れで行われるの?

全身麻酔を施して豊胸手術を行う場合、胃に飲食物が残ったままになっていると麻酔中に嘔吐してしまい、それが気管に入り込み肺炎を引き起こす危険性があるため、絶食・絶飲・禁煙をする必要があります。

飲食に関して基本的には手術6時間前から絶食となり、2時間前からは飲み物の摂取も禁止となるケースが多いですが、クリニックによっては手術12時間前から絶食とするところもあるため一概にはいえません。

また、喫煙をしていると手術中の気道分泌物(痰)の増加をきたす可能性があり、手術中の呼吸管理が困難になったり、手術を安全に行えない可能性があるだけでなく傷の治りにも影響を及ぼすため、手術が決まったら禁煙することをおすすめいたします。

一般的には手術前4週間、手術後2週間の禁煙が推奨されます。

手術当日は手術台に横になり血圧計・心電図・パルスオキシメーターなど、全身状態を確認する装置を取り付け、点滴をして、手術の準備を進めていきます。 マスクから酸素、麻酔薬を吸入し点滴から麻酔薬を投入して眠ったら、次は手術が終わり目が覚めるまで意識がない状態です。

手術終了後は麻酔薬の投与を中止して、徐々に麻酔から覚めるように促していきます。

必要に応じて呼吸を助けてあげるためのチューブを口などから挿入する場合もあり、チューブを入れた場合は自分で呼吸できることを確認してから口からチューブを抜き、全身状態が安定していることが確認できたら手術室を出てリカバリールーム(術後休憩するための部屋)に移動するというのが一連の流れです。

豊胸手術で使われる麻酔方法にはどんな種類がある?

薬の種類

豊胸手術では施術方法などによってさまざまな種類の麻酔を使用しており、使用される主な麻酔方法としては以下の5つです。

・局所麻酔
・硬膜外麻酔
・静脈麻酔
・笑気麻酔
・エクスパレル麻酔

※ここでの「静脈麻酔」は当院で使用している物ではなく、一般のクリニックでの静脈麻酔を示します。

ここからは、それぞれの麻酔の種類の特徴について解説していきます。

局所麻酔

局所麻酔とは注射などで麻酔薬を投与して手術を施す箇所だけを部分的に鎮痛する麻酔方法のことで、予防接種のように針を刺して皮膚の下に麻酔薬を注入する方法です。

基本的にはヒアルロン酸注入や埋没二重手術など、手術時間が短く範囲が小さい手術を行う際に局所麻酔単体での麻酔が使用されます。

あくまでも1部の神経を麻痺させる麻酔で意識があるため手術中に多少の違和感や恐怖心を感じますが、局所麻酔のみで豊胸手術を行うクリニックは滅多にないのでご安心ください。

豊胸手術ではシリコンバッグや脂肪・ヒアルロン酸を注入するために切開する部分の麻酔として局所麻酔が併用される場合が一般的です。基本的にどの豊胸手術でも行われる麻酔となります。

笑気麻酔

笑気麻酔とは鎮静作用・鎮痛作用のある医療用ガスを吸って、痛みや手術に対する不安・緊張・恐怖心を抑えることができる麻酔方法です。

手術以外にも脱毛やレーザー処置などに使用されることもあり、また局所麻酔を行う際の痛みを軽減するために笑気麻酔を用いることもあります。

笑気麻酔で痛みを完全に取り除くことはできないため、豊胸ではヒアルロン酸豊胸など比較的軽い手術で併用する麻酔として用います

硬膜外麻酔

硬膜外麻酔とは背骨の中にある脊髄を包んでいる膜の外側にカテーテルを挿入して、そこから麻酔薬を投与していく方法です。

帝王切開や開腹手術といった比較的侵襲の大きい手術を行う際に使用され、術後もカテーテルを挿入したまま麻酔を持続投与していれば術後も鎮痛作用が得られますが、硬膜外麻酔も手術中は意識があり恐怖心を感じる場合があるため、硬膜外麻酔と静脈麻酔・局所麻酔の3種類を併用して豊胸手術を行うクリニックが多いです。

静脈麻酔

一般的なクリニックでは、静脈に点滴入れてそこから麻酔薬を投与し眠った状態にする麻酔方法のことを静脈麻酔と呼んでいることが多いです。

眠った状態とは言っても、“痛みで起きない程度しっかりとした麻酔”ではないことが多いので、手術中に起きてしまう、といった話も良く聞きます(上述したように当院の静脈麻酔ではそのようなことはございませんのでご安心ください)。

麻酔が軽い分、術後目が覚めた際の気分の悪さや目覚めの悪さが全身麻酔に比べて比較的軽いという点はメリットです。

主に、豊胸手術や脂肪吸引など比較的範囲が広く時間を要する手術を行う場合に使用されます。

エクスパレル麻酔

エクスパレル麻酔とは術後約72時間痛みを抑える効果がある麻酔方法で、痛みのピークと言われている術後3日間の痛みを軽減させることが可能です。

手術中の痛みを抑えてくれる全身麻酔や硬膜外麻酔・静脈麻酔・局所麻酔などは術後数時間で効果が切れてしまうため、術後は鎮痛作用のある内服薬を服用するケースが一般的となっていますが、その内服薬の代わりにエクスパレルを使用することで、術後約3日間にわたって鎮静作用が持続するため術後の痛みを抑える効果があります。

通常の局所麻酔と同じように手術部位に投与しますが、術後の痛みを軽減する目的で使用されるため術中・術後に投与されることが多いです。

全身麻酔の影響は術中だけでなく術後にもある

手術後の女性

全身麻酔を行うことによって痛みを感じず安全に豊胸手術を行えるようになります。

しかし、全身麻酔の影響は術中だけでなく術後にもあります。

全身麻酔を使用したあとは入院が必要な場合がある

全身麻酔を使用する豊胸手術を受けたあとは、リカバリールームという場所に移動して数時間ほど休憩し、状態に問題がなければその日のうちに帰宅することができます。

特に近年では麻酔技術も向上しており、副作用が少ないものや覚めが良いものが普及しているため、全身麻酔を使用しても日帰りできるケースが増えました。

ただしクリニックによっては術後1〜2泊の入院を必要とするケースもあるため、術後の入院の有無についても事前に確認しておくと良いでしょう。

また、遠方から来ている患者様はクリニック近隣のホテルに泊まられると安心でしょう。

全身麻酔に不安がある方は事前に相談しよう

医者と相談

全身麻酔は安全に豊胸手術を行うため、そして痛みを軽減するために行うものですが、人によっては意識を失ってしまうことに対する不安や途中で目が覚めたらどうしようといった不安がある方もいると思います。

そういった場合は事前にクリニックに相談して、自分自身が抱えている不安や疑問点をしっかりと解消させてから手術に踏み切るのが良いでしょう。

気になることがあればカウンセリング時などに聞いておくと良いです。

豊胸手術に使われている全身麻酔の特徴まとめ

豊胸手術に使われている全身麻酔は、鎮静作用・鎮痛作用・筋弛緩作用などがあるいくつかの麻酔薬を組み合わせて行う麻酔方法で、全身麻酔とは「痛み刺激によっても覚醒しない薬剤性の意識消失」と定義されます。

豊胸手術に使用する主な目的としては以下になります。
・安全に豊胸手術を行うため
・豊胸手術に伴う痛みを軽減するため

全身麻酔を行えば眠っている間に手術を行うため痛みを感じることがなく、目が覚めたら終わっているため手術中の痛みに対する恐怖心を持つ必要がありません

またクリニックによって、豊胸手術の施術方法によっては全身麻酔ではなく、局所麻酔や硬膜外麻酔などを使用する場合や、静脈麻酔での麻酔の度合いに幅があるので、どの方法で豊胸手術を受けるかという点やどんな麻酔を使用するかといった点は、事前にしっかりと確認しておくと良いでしょう

日本形成外科学会認定専門医 医師 佐々木 翔一

【監修者】

日本形成外科学会認定専門医

佐々木 翔一

学生時代にミネソタ大学留学にて形成外科に魅せられ、形成外科医になることを決意。

初期研修医終了後、獨協医科大学病院形成外科 形成外科に入局。
大学病院、関連病院に勤務し、先天奇形から眼周りの悩み、顔部外傷およびその再建など幅広い形成外科手術を手がけ、患者のQOL向上のために積極的に美容外科的要素を診療にとりいれていた。大学病院を退職後、老舗美容外科に勤務。塩崎医師の紹介で細井医師と出会う。学生・研修医時代にUnited States Medical Licensing Examination Step1から3まですべてに合格し、Educational Commission for Foreign Medical Graduatesを取得済。

英語での診察も可能です。