「小さな傷のみで施術できる」
「吸収されないので効果は永久」
「自分の脂肪などを採取する必要がない」
「無くしたければ水を注入すれば溶けてなくなる」
こんな夢のようなバストアップできる施術があったら思わずやりたくなってしまいますよね。
しかし、現実はそんなに甘くありません。
上記のような謳い文句でかつて売り出された「アクアフィリング豊胸」。
今は学会が注意喚起の声明を出すほど危険な施術というのがわかっています。
今回は甘い言葉で人を惹きつけ、実は危険極まりないアクアフィリング豊胸について書いていきます。
目次
はじめに:アクアフィリングとは
アクアフィリングとは、ポリアクリルアミドハイドロジェルの商品名(現在ではロスデライン)です。
類似のものではアクアリフトという商品もあります。1990年代にウクライナや中国で使用され始めたもので、当初は生体への親和性が高く、水を注入するだけで除去できる物質として期待されていましたが徐々に安全でないことが判明していきました。
危険しかない〜4つの団体が共同声明を発表〜バスト以外にも広がるその脅威とは
どれくらい危険か、というと日本では2つの美容外科学会を含む4団体が共同で声明を出すほど危険です。
▶非吸収性充填剤注入による豊胸術に関する共同声明
また、中国でも2006年に禁止となっており、韓国食品医薬品局も「重大な懸念を表明し、長期安全性の十分な証拠が集積され検証されるまで、豊胸術目的に使用することに明確に反対」するとしています。
ここまで危険と言われているのには理由があり、腫瘤形成、痛み、変形などが相次いで報告されているためです。授乳をきっかけに注入剤が感染、そのため授乳が難しくなってしまった方もいらっしゃいます。
さらに厄介なのは“吸収されないこと”。吸収されないので、先ほど述べた腫瘤形成、痛み、変形などの合併症の危険が生涯付きまとってしまうのですよね。
また、当院のように多くのアクアフィリング注入後の除去をしていると表立った問題を起こしていないアクアフィリングも炎症によって色が変色していることを多々目にするようになります。
以下に写真を載せますが、入れるときに透明だったはずのアクアフィリングがこんなに濁ってドロドロになるんです。。。こんなものが体に入っていたら、と思うと怖いですよね。
当院youtubeで除去の手術を見ることが可能です。
【注意】炎症を起こして腫れたお胸。アクアフィリング除去手術【ドラゴン細井】
【注意】アクアフィリング・アクアリフト除去手術を大公開【手術動画】
バスト以外にも広がるその脅威とは
さて、ポリアクリルアミドハイドロジェルがバストの部分で問題を起こすことはよくわかりましたね。しかし、実は問題を起こすのはバストだけではないんです。
このポリアクリルアミドハイドロジェル、体の中を移動するのです。
移動するといっても血液の流れに沿って、というわけではなく、あくまで細胞の間を通って移動します。バストの近傍でいうと大胸筋という筋肉に入り込んだり、遠いところでいうと股間まで移動した症例も報告されています。
もちろん、こういった移動先でも感染などの問題を起こしますから厄介極まりないですね。。。
つい最近の報告では注入11年経過してお腹の中に入ってしまった症例も報告されています。
なぜ“危険”と言われるのに取り扱うクリニックが多いのか
これはズバリ、集客性が高い、からに限ります。
冒頭の謳い文句のようにいいごとづくめだと患者さんが集まりやすく、儲けも出しやすいのですよね。
いくら学会が共同声明を出そうが何しようが関係なく行うクリニックはあります。
少し話はそれますが、こういったことに騙されなくなるためには耳障りの良すぎることは一度疑うクセをつけるといいかもしれません。
冒頭の謳い文句
「吸収されないので効果は永久」
「無くしたければ水を注入すれば溶けてなくなる」
が矛盾することは実は少し考えればわかってしまいます。
体内には水分がたくさんあるから水で溶けたらすぐになくなってしまうもののはずなのです。。。
No Moreアクアフィリング|まとめ
さて、本日は学会が共同声明を出すほど危険と言われているアクアフィリング豊胸についてなぜ危険なのか、どれくらい危険かを解説いたしました。
当院ではアクアフィリング豊胸後のアクアフィリング除去そして、その後の豊胸手術までも多数行っております。
アクアフィリングを取り除き、その代わりに世界的に標準となっている豊胸術(シリコンバッグ豊胸、脂肪豊胸、ハイブリッド豊胸)で豊胸したい方はぜひ当院へお問い合わせください。