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【根強い人気】The タレ目!を作るグラマラスライン手術とは

2022年10月22日

【根強い人気】The タレ目!を作るグラマラスライン手術とは

一般に、「色っぽい」「雰囲気のある」目というものはタレ目なのかもしれません。

古くは米国の伝説的な女優、マリリンモンローさんなどが代表的です。
現在日本でも、タレ目メイクなんていうのはとてもセクシーに見えますね!もちろん、キリッとしたつり目もかっこよくて素敵なんですよ!

反面、欧米ではアジア人のことを「Slanted Eyes(=斜めの目」なんて言うこともあります(現在の世界的な風潮には馴染まない、やや差別的な呼称です。海外で使われぬよう)。

美しさは多種多様。タレ目手術は良い手術ですが、「やったら必ず美しい」訳ではありません。
そんな前提の上、今回はそんなグラマラスライン手術について解説していきます。

グラマラスライン=タレ目形成=下眼瞼下制術

綺麗な女性

いきなり何を言い出すのかと言いますと。。名前の話。
これらは、一般的には全て同じ術式です。美容クリニックは自由診療なので、名称が自由に決められてしまいます。

この辺りがややこしいところではありますが、一番最後「下眼瞼下制」が最も正しい名称と考えます。(もちろん、「グラマラスライン」の方がキャッチーですけどね!)

ちなみに、現在の日本で広く行われている術式はHirohiらが発表した論文(2010年、PRS)の術式かと思いますが、そこでは「Vertical enlargement of palbebral aperture」と紹介されています。

直訳するならば「垂直方向の眼裂の拡大」と言いましょうか。論文だとこのかしこまった感じの名称が、一般のクリニックだとより覚えやすい名称になるというのは興味深いですね。

閑話休題。この手術は、下まぶたを下側に牽引することで、下まぶたのカーブを作る手術となります。

グラマラスライン画像①

具体的には、CPFと呼ばれる下まぶたの筋膜を縦方向に短縮することで下まぶたを下に下げます(下眼瞼=したまぶた を、下制=下に制する)。

この手術の特徴として、ある程度、まぶたを下げる位置を自由に決められることがあげられます。黒目の真下か、やや外側を下げる方が多いイメージですね。

いわゆる「優しいたれ目」のお顔が好きな方は、黒目の外側を下げるのが良いでしょう。個人的には黒目の真下を強く下げるのはあまりお勧めしません。いわゆる「三白眼」的な感じになる印象が強いです。

グラマラスライン画像②
グラマラスライン画像3

リスク:傷跡、感染、イメージ違いなど
料金:当院HP参照

(下の写真、カラコンをつけていますが、黒目が大きくなっているのに、さらに下側に白目があるのがわかるでしょうか)

さて、簡単にシミュレーションしてみましょう。

グラマラスライン画像4

これが元のお目元。

グラマラスライン画像5

こうやって下がると思っている人が多いですが、これは間違い。
CPFは奥に向かって走行するので、グラマラスラインの牽引方向は「奥側」となります。これではただのアッカンベー👅です。

グラマラスライン画像6

実際にはこんな感じで、眼球のカーブに沿って下瞼が下がります。これは僕の好きな、外側を下げるパターン。

グラマラスライン画像7

こちらは黒目の真下を下げるパターン。ちょっと三白眼の印象が強くなります。
ご自身でも鏡の前でやってみると面白いかも知れませんね。

グラマラスライン、皮膚からやるか?結膜からやるか?

綺麗な女性

この手術は皮膚側から行うことと、結膜側から行うことがあります。
(ここでは便宜上、それぞれ皮膚側法、結膜法と呼びます)

これに関しては、、実は、やる内容はどちらでも同じ。もちろん医師側の考えも色々あります(内容は同じでも、術野が違うので、医師側にはメリットデメリットがあるのです)。

私の考える大きな違いは、「余った皮膚を切り取れるか、切り取れないか」だと思ってください。
ではなぜ皮膚を切り取る必要があるのか。。?

これはひとえに、「逆さまつげの予防」及び、「逆さまつげの悪化を防ぐ」ためです。

これは、グラマラスラインが「下瞼を眼球のカーブに沿って下げる」施術だからです。下瞼が下がった時に、下まつ毛を巻き込むように下がっていくので、まつ毛が「逆さまつげ」のように上を向いていくわけですね。(前の項目の、シミュレーション写真をみていただけるとわかりやすいかもしれません)。

ですので、①グラマラスラインをした結果、逆さまつげになりそうな人 ②元々逆さまつげがある方 は「皮膚側法」を行います。反面、「結膜法」のメリットは「皮膚に傷がつかない」ことです。これはわかりやすいですね。

一応、僕の考えでは、
「あまり極端に下げたくない」「逆さまつげにならなそう」ならばとりあえず結膜法で行うのが良いと思っています。逆さまつげになってしまったならば、後日皮膚を切れば良いですからね。

逆に考えれば、「しっかりと下げたい」「逆さまつげがある/なりそう」ならば皮膚をあらかじめ切除する、「皮膚側法」の良い適応と言えるでしょう。

グラマラスライン画像8

リスク:傷跡、感染、イメージ違いなど
料金:当院HP参照

(他院さんのグラマラスライン修正。下がりがイマイチなのと、逆さまつげ感が強いので皮膚を切開し、下げ方を調整しています。下まつ毛に注目してください)

タレ目尻切開との違い

目元のかわいい女性

当院でよくある質問です。下のイラストを見てみてください。

グラマラスライン画像9

「タレ目尻切開」という名前に、「タレ目」が入っているので、少しややこしくなっていますが、このイラストを見ての通りで、こちらは目尻切開の一種です。

(以下過去記事より引用)
下瞼の皮膚を切除し、靭帯を一部切離/固定し直す作業を行うので、調整を含め手術難易度が上がりますが、上記の通常の目尻切開に比べ変化が大きく、しっかりと目を大きくできます。また、しっかりと切っても目尻側の形が自然なので、当院ではこちらの手術をお勧めすることが多いですね。いわゆる「たぬき顔」のようなタレ目を作るというよりは、「目を外側、下側に拡大する」手術というのが正確です。 (引用終わり)

つまり、
●下まぶたを『下側に』拡大する→グラマラスライン
●目尻を『外側、下側に』拡大する→タレ目尻切開
と考えてください。

グラマラスライン画像10

リスク:傷跡、感染、イメージ違いなど
料金:当院HP参照

(タレ目尻切開単独のモニターさん。目尻側が大きくなっているのがわかるでしょう。まだ少し傷が赤いですね。)

余談ですが、、

さらにややこしいことを言ってしまうと、「タレ目尻切開」は当院で考えたネーミングで、本来は「Cosmetic lateral canthoplasty」すなわち、「審美的な外眼角形成」のようなネーミングで海外で報告されていたものです。

あくまで、印象として目尻切開に近いのでこのネーミングとなっております。
患者さんの皆様はご注意を。こっそりブログを読んでくださってる医師諸兄はぜひ論文検索してみてください。

(さらにさらに余談を言ってしまうと、「タレ目形成=グラマラスライン」と「(通常の)目尻切開」を両方行う術式を「垂れ目尻切開」と名づけて手術をおこなっている他院さんもあるみたい。もう何が何だか、、という感じですね。最終的に手術のカウンセリングを受ける際には、必ず担当医に手術の内容を聞きましょう。)

グラマラスラインのリスク

グラマラスラインにもリスクがあります。
リスクを何点か説明します。

①不自然さ

誤解を恐れずにいうならば、最大のリスクは①「不自然さ」でしょう。
本来は上側に吊り上がった眼を(無理矢理)下に固定している訳なので、特に思いきり下げると違和感のある目になります

反面、グラマラスラインはその「不自然さ」を楽しむ(?)もの、、ではあるのです。いずれにせよ、下げる量はよく相談をしましょうね。

いわゆる「地雷系メイク」みたいなのが好き、大きめのカラコンが好きな方は結構思い切り下げても映えます。目元のお化粧は控えめ、あくまで自然な変化を、、ということであればやりすぎない方が良いです。

②後戻り。

筋肉/筋膜を下側に引っ張って固定するという手術の特性上、後戻りは避けられない部分ではあります。

また、術直後は結膜が腫脹して、少し眼球と下まぶたが離れた感じになります。腫れが引くにつれて改善しますが、この腫れが引いていく感じも後戻りチックに思えますが、本質的には違うものです。

③下まぶたの外反/内反、逆さまつげ。

これは上で話した通りで、まぶたを下げることで発生するものです。
後戻りや腫れを考慮して手術するので、難しい部分もあります。適宜皮膚の調整を行なっていきます

④その他

左右差、イメージ違い、結膜浮腫、傷跡など。

グラマラスライン手術まとめ/ちょっと追記

いかがでしたでしょうか。グラマラスラインについてちょっとイメージが湧きましたか?二重まぶたほどではありませんが、根強い人気のある施術です。皆様の美容整形の参考になれば幸いです。

ちなみに、下の方のように他の手術と組み合わせるのもありです。

グラマラスライン画像11

リスク:傷跡、感染、イメージ違いなど
料金:当院HP参照

そうそう、一つ追加するとすれば、、美容外科手術で定番の術式に「クマ取り=下眼瞼脱脂」というものがあります。

グラマラスラインとクマ取りは同じ術野なので、どちらかの手術を先にしてしまうと中に瘢痕組織(=傷)ができ、次の手術は途端にやりにくくなります

ですので、グラマラスラインをやるときに、「いつかクマ取りもしようかな、、」と考えているなら、ちょっと頑張って同時にやってしまいましょう

それではまた。

日本形成外科学会認定専門医 医師 塩崎 正崇

【監修者】

日本形成外科学会認定専門医

塩崎 正崇

初期研修医終了後、東京慈恵会医科大学 形成外科に入局。
大学附属病院、関連病院に勤務。その過程で都立駒込病院にて乳房再建術を学ぶ。
がん研有明病院 形成外科にて細井龍医師、前田拓摩医師と出会う。

国内留学から大学病院に戻った後、東京慈恵会医科大学 形成外科医局長/同乳房再建チーフとなる。乳房のみならず、顔、ボディなどの幅広い形成外科手術、美容外科手術を行い、後輩医師の指導にもあたる。
大学病院を退職後は老舗の美容外科に勤務。

2021年4月よりアマソラクリニック入職。
国内外を含む学会活動、医学論文複数。