これまでクマについての大まかな分類や種類、治療方法に関して解説してきました。
今回はクマの種類別のおすすめ手術方法に関して解説していこうと思います。
黒クマのおすすめ手術
手術で改善する代表となるクマが、この黒クマではないでしょうか。
クマでお悩みの方の大部分がこのタイプです。
別項で解説していますが、黒クマの原因から改めてご紹介します。
図の上の矢印の方向に脂肪や皮膚が突出してきて膨らみのある『目袋』として現れてきます。
そして、その下の矢印はorbicularis retaining ligamentと呼ばれる靭帯となっており、膨らまずに逆に窪んで溝となる部分です。
この上下の立体構造により、溝の部分に影が生じて黒クマとして見られます。
これを改善させるためには、①膨らみを抑える②溝を埋める③そのどちらも行う、のいずれかを行う必要があります。
『①膨らみを抑える』に対する治療法として脱脂術(経結膜脱脂)が、『②溝を埋める』に対する治療法として、脂肪注入やヒアルロン酸注入などの注入治療があります。
『③そのどちらも行う』については脱脂術+脂肪注入もしくはハムラ法(+脂肪注入)が行われます。
このように一言で黒クマと言っても多様な治療方法があり、一人一人の状態は異なりますので、それぞれの方に合わせた治療法の選択が重要です。
さらにこれから治療ごとに適応となる黒クマを説明します。細かい手術方法やリスクなどに関しては別のコラムで解説しているのでそちらをご参照ください。
脱脂術の適応
比較的若年であり目袋の膨らみが存在し、その下の溝がそこまで強くない方が対象となることが多いです。
溝が明らかに深い場合や頬のボリュームが少なくなっている場合、皮膚のたるみが目立つ場合は脱脂だけ行うと窪みや皮膚のたるみが目立つことがあります。
脱脂術+脂肪注入の適応
若年層から高齢まで適応となります。目袋の膨らみがあり、頬のボリュームが少ない方は非常に良い適応です。
脂肪移動術(ハムラ法)の適応
まず経結膜脂肪移動術(裏ハムラ法)に関しては目袋の膨らみがあり、その下の溝も目立つ方は良い適応となります。
溝が強くなく、目袋の膨らみが目立つだけでも問題ありません。経皮的脂肪移動術(表ハムラ法)は裏ハムラ法に加えて、皮膚のたるみを切除する方法ですので、たるみが強い方が適応となります。
ハムラ法でも頬のボリュームが足りない方は追加で脂肪注入が必要となることがあります。
青クマのおすすめ手術
青クマは黒クマについで悩みの多いクマです。
青クマの原因は皮膚のすぐ下の眼輪筋や血管が透けて見えることが原因となります。解決方法としては①皮膚に厚みを持たせる、②血流を良くする、などがあります。
『①皮膚に厚みを持たせる』に関してはナノファットと呼ばれる脂肪注入が適応となります。これは通常の脂肪移植とは異なり、ボリュームを持たせるというよりは皮膚のハリや色調の改善の目的で行います。
『②血流を良くする』については脱脂やハムラ法を行うことで眼輪筋の圧迫や血流が改善し、青クマが緩和することがあります。また、こちらに関しては目を温める、目を酷使しない、といったセルフケアで多少の改善を見込むこともできます。
青クマ改善のための手術としてはナノファット注入が最も効果的ですが、効果は少ないものの脱脂術、ハムラ法でも青クマが改善される場合があります。脱脂術、ハムラ法を行った後にナノファット注入を検討するのも良いと考えられます。
茶クマのおすすめ治療
茶クマは色素沈着が原因ですので、通常のシミ治療に準じた治療となることがほとんどです。
手術ではなく、レーザーや光治療の対象となりますのでここでの解説は省かせていただきます。
おすすめのクマ治療まとめ
今回はクマの種類別おすすめ手術をご紹介させていただきました。
大部分のクマは、セルフケアでは改善させることは難しいです。
クマに悩んでいる方は思い切って手術をすることも必要となります。
治療方法も単一ではなく数種類に分かれるので、自分のクマにはどの治療が適しているかの判断はしづらいかと思います。
当院では実際にカウンセリングで一人一人に合わせた治療法をご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。