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COLUMN

コラム

フェイスリフトで失敗しないためにこれだけは知ってください!(2/3) 靭帯処理だけは不十分?

2024年07月20日

リフトアップの王様手術、フェイスリフト、に関するブログ。

前回の続きから。

まだ前回の記事を読んでいない方はこちらを読んでください。

靭帯とはなにか

少しフェイスリフトについての知識がある方なら聞いたことがある「靱帯」。

骨から出て皮膚まで伸び、皮膚やSMASを骨にピン留めしてくれています。

皮膚やSMASが重力に引っ張られて落ちすぎないように止めてくれているのですが、こいつがフェイスリフトのリフトアップを妨げる原因になっています。

フェイスリフトは顔の横でSMASや皮膚に引っ張る力を加えるしかないので、途中でピン=靱帯があると引っ張る力が顔の前まで届かないのです。

フェイスリフトと靭帯について模型を使って解説

フェイスリフトの模型説明1

イメージとしてはこんな感じ。

モデルは私の相棒、オステ男くん。青い布が皮膚・SMAS、オステ男くんの頬骨に刺さっているピンが靱帯だと思ってください。後にも書きますが実際には靱帯はもっといろんな箇所にあります。今回はわかりやすいように一箇所だけ…

フェイスリフトみたいに顔の外側で青い布(=皮膚・SMAS)を引っ張っていますが、顔の前のたるみが改善していませんね。このようにピン(=靱帯)があると顔の前の方まで引っ張る力が効かないのです。こんな状態でフェイスリフトしたら満足にリフトできず失敗となります。

フェイスリフトの模型説明2

ピン=靱帯を外してあげるとこんな感じ。

しっかりと顔の前まで引っ張る力が働いてますね。

このイメージでもわかっていただけるように“靱帯処置”はフェイスリフトで失敗しないために重要になってきます。

さて、この靱帯。顔のいろんなところにあります。どの靱帯を処理するか、というのは学会でもよく議論されるところ。結構しっかりしたフェイスリフトの術式だと外せる靱帯全部外しているものもあります。

が。。。そんなフェイスリフトでも太刀打ちできないことや部位があることがわかってきました。

フェイスリフトの模型説明3

その原因がこれ。

この図の黒い部分。裏にはテープが貼ってあります。

フェイスリフトの模型説明4

そう、どうやら靱帯以外の部分でもSMAS・皮膚が、ピン留め(=靱帯)までは行かないものの、“糊付け”されているようなのです。

この“糊付け”をつけたまま、ピン(=靱帯)を外して引っ張っても…

フェイスリフトの模型説明5

あら?あまりたるみが良くなっていない。

黒い部分を剥がして、引っ張ると…

フェイスリフトの模型説明6

上がった!たるみが解消されました!!

こんな感じでこの黒い部分、“糊付け”の部分も意外とリフトアップを邪魔しています。

実は“糊付け”の部分を外してあげるのが“Extended Deep Plane”の一つの重要な使命になります。

この“糊付け”って外すの大変なので私は時間をかけて丁寧に外しています。

一種の変態的なこだわりです。

さて、今回はフェイスリフトを受ける時に知っていただきたい“靱帯”、さらに一歩踏み込んで“糊付け”について説明しました。

次は最近用語が拡大解釈されている“DEEP PLANE”について書きたいと思います。

こうご期待。

日本形成外科学会認定専門医 医師 佐々木 翔一

【監修者】

日本形成外科学会認定専門医

佐々木 翔一

学生時代にミネソタ大学留学にて形成外科に魅せられ、形成外科医になることを決意。

初期研修医終了後、獨協医科大学病院形成外科 形成外科に入局。
大学病院、関連病院に勤務し、先天奇形から眼周りの悩み、顔部外傷およびその再建など幅広い形成外科手術を手がけ、患者のQOL向上のために積極的に美容外科的要素を診療にとりいれていた。大学病院を退職後、老舗美容外科に勤務。塩崎医師の紹介で細井医師と出会う。学生・研修医時代にUnited States Medical Licensing Examination Step1から3まですべてに合格し、Educational Commission for Foreign Medical Graduatesを取得済。

英語での診察も可能です。